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ゲーム機スタイルのゲーミングPC 『ROG Ally』を購入

Nintendo Switch のように画面の左右にゲームパッドが有るスタイルのゲーミングPC『 ROG Ally』(アールオージー エイライ)を購入しました。

UMPC(ウルトラモバイルPC = 超小型PC)に対する憧れはかなり昔からあったのですが、じゃあどう使うかというとこれまで私自身としてはそこまで用途はありませんでした。特にスマートフォンやタブレットが当たり前になるとWeb閲覧のためだけにUMPCというのも微妙です。しかし、ゲームが動くスペックかつゲームパッドも内蔵となると話が変わってきます!

というわけでこの度ついに『ROG Ally』購入となりました。

ROG Ally

スペックは以下のような感じです。

CPU: AMD Ryzen Z1 Extreme
(Zen4 8コア 16スレッド MAX 5.1GHz / RDNA3 12ユニット)
RAM: LPDDR5-6400 16GB
ストレージ: PCIEx4.0 512GB SSD
ディスプレイ: フルHD 120Hz液晶
OS: Windows 11
コネクタ: USB Type-C (USB PDによる充電 & DP-Alt modeによる映像出力対応)
外部ストレージ: microSDスロット
重量: 608g

お値段はビックカメラで付けた延長保証抜きの本体価格で 109,800円 (税込)です。Ryzen 7000番台に相当する最新CPUに高速な16GBのメモリ、その他諸々込みでこの価格で普通に考えてもコスパの良い機種です。

Switchとのサイズ比較はこんな感じ。パッド部分でちょっと大きいですがSwitchのジョイコンはお世辞にも操作性が良い物ではないので、むしろちょうどいいくらいと感じる人も多いんじゃないかと思います。

特にここ1年程盛り上がりを見せているゲーミングUMPCの中ではとくに有名どころな『Steam Deck』(スチームデック)との比較ですが、Steam DeckはSteam向けのゲームのみに対応する代わりにOSがSteamのゲームをプレイするために特化した作りになっており、モバイルゲーム機としてのUI/UXの出来はおそらくSteam Deckの方がいいでしょう。

対して、ROG AllyはあくまでWindows機であるため、初期設定を行う際に画面上の小さなUIを指でポチポチ操作したり、Windows側、内臓ツール側の初期設定や最初の更新、ゲーム側の初期設定等、使い始めるにあたって普通のゲーミングPCと同じだけの事前対応が必要になります。

しかし、その代わりにWindows機である事によって2023年時点で現役のほぼあらゆるPC向けタイトルを(快適かどうかはタイトルによるとして)プレイする事が出来ます。Steam以外のプラットフォームが増えている昨今、例えばRiotやEA AppやMSのゲームパスなど自由に利用する事が可能です。

また、普通のPCとしても十分スペックが高いので、その気になればBluetoothキーボードやマウスを繋いでノートPCとしても運用可能です。外部ディスプレイの接続も可能です。

では汎用性を手に入れた代わりにソフトウェア面は完全に普通のWindowsなのかというと、そういう訳ではなくゲーム機として快適さを目指した配慮もあります。

こちらがプリインストールのASUS製ランチャーアプリです。各ストアを横断してインストールしたゲームをここから起動できるようになっています。このアプリはボタン1つでいつでも開けるようになっているほか、初期設定ではWindows起動直後にこの画面が開くようになっておりすぐにゲームをプレイする事が出来ます。

ハイエンドなゲーミングPCを持っていても、起動したらいったんWebブラウザを開いてWebを眺めてしまうような事もありますが、ROG Allyは電源を入れて即このゲーム一覧なので「よし、ゲームやるぞ」という意気込みも湧いてきやすいです。正直「ランチャーアプリが有っても使うかな?」という感じだったので、実際に触ってみて意外と良かった部分です。

他にもいつでも開く事の出来るコマンドセンターでパフォーマンス設定(ACアダプタを接続している時限定でより高速になる、など)やスクリーンショットの取得などが可能です。

では肝心のスペック面ですが、解像度をフルHD、レンダリング解像度を75%設定で標準画質設定にしたFINAL FANTASY XV (FF15)が45fps以上で快適に楽しめている感じになります。

こちらがその設定状態でのスクリーンショット。フルHD解像度の75%でレンダリングしているので静止画だとちょっとボケた感じは有りますが、実際のプレイ中はほとんど気にならないです。

きつさを感じる部分としては、それなりのPCでプレイする分にも妙に動作が重い事で有名な「ストリートファイター6のワールドツアーモードでの戦闘パート」はかなり動きがスローになります。ただ、カプコン側もそれを認識しているようで「ワールドツアーの戦闘を30fpsにする」設定が有るので、一応レベルでプレイ可能にはなります。

という感じで、グラフィックスの良さに注力した最新の重量級タイトルを除けば、設定を落としていけばそれなりに楽しめる感じになるかと思います。

と、ここまでは良い点。

個人的に合わなかった部分としては、背面ボタンはゲームプレイが白熱した際に握り込んで背面ボタンから実行するショートカットが暴発してしまう事が多かったので、ゲームプレイ中の背面ボタンを無効に設定しました。背面ボタンの設定は細かく設定が可能なので私のように暴発してしまう人でも大丈夫かと思います。

バッテリーの持ちについては、やはり小型でゲーミングという宿命もあって、結構なスピードで減っていきます。長時間自宅ソファーやベッドでごろごろプレイしたい時はACアダプタを繋ぎっぱなしにすると良い感じかと思います。幸い付属のACアダプタのコードはそこそこ長めです。

ゲーム以外での利用の部分としては、画面の回転を行う事が出来るので縦長表示にすると意外とWebは見やすいかもしれません。ここは良い意味で普通のWindowsなので普段使っているWebブラウザをインストールしてログインすればブックマークも全部同期されます。スクロール操作もタブレット感覚でタッチ操作できます。

という訳でROG Allyの所感でした。思っていた以上に面白さやゲーム機らしさがあって、ゲームパッドを内蔵しているだけのWindows機だと理解のうえで購入した割には思いのほかゲーム機として楽しめています。

UI/UXの面でよりゲーム機を志向しているのはSteam Deckの方ですが、こちらもWindows機らしい汎用性を備えつつも十分ゲーム機として楽しめるROG Ally、あなたもいかがでしょうか?


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ASUS Zenfone 5Z 雑感

3年間使った HTC 10 (au版 + ドコモ系MVNO回線)からの乗り換え先としてさんざん悩んだ結果 ASUS Zenfone 5Z 国内SIMフリー版にしたので雑感を。

要件

  • SoC性能の下限は Snapdragon 660。ゲームをプレイするので速ければ速いほどよいが価格とのバランスによる。
  • RAM容量の下限は 4GB、4GBのつらさを感じつつあるので出来れば 6GB欲しい。
  • ストレージ容量はmicroSD対応なら64GB、非対応なら128GBが下限。
  • なるべくお安く。MVNO運用前提。
  • イヤホンジャックが有るとうれしいが必須ではない。
  • カメラが良いとうれしいが並以上なら可。

という条件でもろもろ検討したのですが、家電量販店店頭での実売価格が税込み6万を切り(2019年5月10日時点 ビックカメラ池袋本店)、発表されたばかりの Pixel 3a より約1万円高いだけで Snapdragon 845、RAM 6GB、ストレージ 128GB、並以上のカメラ、イヤホンジャック有りの Zenfone 5Z にしました。もちろん Pixel 3a はGoogle公式端末なのでOSアップデート期間が長いメリットが有りますが、Zenfone 5Z は現状でAndroid 9 Pie までアップデート済み、かつ Android Q がテスト可能な端末という事で Q まではアップグレードされるかな?と予想しています(あくまで予想)。

デザイン・サイズ感

良くも悪くももボディに占める画面サイズが広い昨今なので、端末ごとの差はあんまり感じないですね。悪くないと思います。ただ、指が短い事も有り HTC 10 (72mm * 146mm * 9.2mm)の時点で片手操作がきつかった身としては、Zenfone 5z は片手操作は不可能な水準です。付属品のカバー(TPUっぽい素材)を付けると摩擦係数が上がるのでそれでなんとか、といった所。素直に両手操作推奨。

Zenfone 5z ケース
Zenfone 5z 表
Zenfone 5z 裏

片手操作モードが有り、有効にしておくとホームボタンをダブルタップすると画面サイズが小さくなります(下記スクリーンショット参照)。と言っても縦横比が固定のまま小さくなるので上部はまだ遠いままという印象。高さに合わせて更に画面サイズを小さくすると今度は横幅が狭く文字入力が厳しい。見た目的にも無理に縮小しているので文字にジャギーが見られたりしますが、まぁ無いよりは有った方が良い機能ですね。無いよりは便利です。

Zenfone 5z の片手モード

スペック面とゲームプレイ

おさらいになりますが、2018年時点でのQualcom製ハイエンドSoc Snapdragon 845に、RAM容量は多めの6GB(他メーカーの流れ的にも2019年以降はRAM 6GBからがハイエンド端末の基準になるはず)、ストレージ容量は十分な 128GB に microSDカード対応です。

Antutu等のベンチマークはググればいくらでも出てくるとして、実際のゲームタイトルとしては「アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ(以下 デレステ)」、同「ミリオンライブ シアターデイズ(以下 ミリシタ)」でテスト。これから増えてくる Snapdragon 855搭載端末を除けばこれが最上位のスペックなので当然では有るのですが、3D高画質設定でも特に問題なくMV再生できますね(当然すぎるのでスクショ省略)。

タッチの感度としては Android 9 Pie かつ数日前にリリースされたアップデート適用済みの状態では特に問題は感じられませんでした。タイミング調整的にもデレステは+-0、ミリシタは -2 とかなり優秀(タイミング調整は個人差も有りますので目安程度に)。

デレステ タイミング調整 Zenfone 5z
ミリシタ タイミング調整 Zenfone 5z

タップの精度(タッチ抜け等)ですが、正直音ゲーはそこまで上手くなく最上位難易度でプレイできないのであまり分かりません。デレステのPro譜面、ミリシタの 6MIXまでは問題無いです。ちなみに Zenfone 5z は直近のアップデートまでは音ゲー周り(特にデレステ)で問題を抱えていたようですが、アップデートで改善されたとの情報をTwitterで見かけます。この端末はアップデート全て適用済みの状態となります。

デレステ @ Zenfone5z
ミリシタ @ Zenfone 5z

音ゲーでも3Dグラフィックスでもない作品としては「アイドルマスター シャイニーカラーズ」も触ってみましたが、操作感としてはデレステ、ミリシタ以上に改善を感じられました。HTML / CSS / JavaScript で作られた HTML 5アプリ(非ゲームアプリ含む)全般の改善が期待できそうです。

カメラ

並~並以上なのは確かです。HTC 10 のカメラはあまりよくなかった事も有り、それよりは明確に良いですね。HUAWEI製スマホのように尖った部分は無く、夜景はもちろん Pixel 3 等に負けますが、それなりに悪くない画が出てきます。個人的な好みとしては Pixel 3 の夜景はHDR感が強すぎるように感じるので、これくらいでもちょうどいいですね。ただ、高彩度の色が少し苦手なような……?。以下の例は全てオートモードでの撮影、 4032 * 3024 ピクセルの写真を 1920 * 1440 まで縮小した物になります。

Zenfone 5z カメラ作例
Zenfone 5z カメラ作例
Zenfone 5z カメラ作例
Zenfone 5z カメラ作例

標準カメラアプリのUIの操作感も悪くないです。なお、Zenfone 5z は2レンズ(2センサー)の機種で、サブ側のカメラは超広角レンズ(35mm版換算で12mm相当)になっています。標準のレンズも広角なので広角 + 超広角という組み合わせになります。超広角レンズは扱いが難しいのであまり使う機会は無さそうですが、写したい人が多いけどこれ以上後ろに寄れない室内等の時には良いかもしれません。

音質

スピーカーに関しては「よくあるスマホ」の音で並み程度ですね。通話時に耳を当てる側のスピーカー音量が小さいので左右にパンを振る曲だと片方が小さく聞こえるのはちょっと微妙なポイント(ただこれは HTC 10 でもそうです)。肝心のイヤホンジャックの方の音質ですが、言われているほど悪いとは感じません(Zenfone 5z はイヤホンジャックの音質に対する評判が悪いです)。直近のアップデート内容には「音質改善」も明確に含まれているため、ここで改善が入った結果かもしれません。プレイヤーアプリは ONKYO HF Player、イヤホンでは final E3000、ヘッドフォンでは AKG K712 Pro で視聴しましたが特に悪い点は無く並のスマホ程度の再生機としては使っていけると思います。

ONKYO HF Player @ Zenfone 5z

なお、何らかのアプリの暴走時など、端末に尋常でない負荷がかかっている際に音がブチブチ言う現象が起きる事を確認しましたが、これは他のAndroid端末でも起きる事なので仕様ですね。デレステやミリシタのMV程度では問題無いです。

他にはスマホにたまに実装されている「ヘッドホン効果」的な機能も有りますが、今の所はOFFで使っています。バーチャルサラウンド系の音はあんまり好きじゃないです……。

その他に

端子は USB-Type C、防水やFelicaやワンセグは非対応。ワイヤレス充電も非対応です。指紋認証は本体裏面。戻るボタンやホームボタンは画面上のソフトキーです。USB-PD対応なのである程度充電は速いですが、めちゃくちゃ速い訳ではないです。その他注意点としてはデフォルト設定のままだと時計アプリなどもバックグラウンドで落とされてしまう事が有るようで、そうなるとアラームが鳴らなくなってしまうので落とされると困るアプリは事前に設定調整しておきましょう(以下リンク参照)。

参考
ZenFone 5(ASUS、2018)まとめWiki
https://zenfone5-asus-wiki.fxtec.info/

総評

スペック面はカタログスペック時点で問題なく懸念点としては音ゲーと音質面でしたが、どちらも問題ない水準でこの価格で買えるなら大いにアリなスマホです。もうすぐに Zenfone 6 発表が控えていますが登場直後から現在の価格水準で買える事はおそらく無いと思われるので今から選んでも全然良いスマホだと思います。ただし、片手操作は本当に無理なのでそこを外せない方は諦めが必要になります。