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RHELのApplication Streamsは一部が長期サポートらしい

表題の通りなんですが、RedHat Enterprise Linux のApplication Streamsで提供される一部のパッケージで長期サポートが提供されているようです。Application Streamsで提供されるパッケージはOSと同じサポート期間ではない短いサポート期間になる代わりに随時新しいバージョンにも対応していく形式ですが、特定のバージョンに限っては長きにわたっての利用が可能になります。

Red Hat Enterprise Linux 8 Application Streams Life Cycle – Red Hat Customer Portal

Application StreamRelease DateRetirement DateRelease
php 7.4Nov 2020May 20298.3
postgresql 12Feb 2020May 20298.1.1
git 2May 2019May 20298.0.0
httpd 2.4May 2019May 20298.0.0
mariadb 10.3May 2019May 20298.0.0
ruby 2.5May 2019May 20298.0.0
引用。2020年12月03日時点の内容。

一部のバージョンでサポート期間が公式をはるかに超え長くなっている事が分かります。例えばRHEL8.3と共にリリースされたPHP 7.4では2029年中頃までサポートされるようです。

そもそもApplication Streamsとはなんぞやという方は過去記事を参照の事。


Oculus Quest を購入して1か月弱経ったので紹介してみる

5月頃にOculus Quest(オキュラス クエスト)という製品を入手しました。これはVR(バーチャルリアリティ)ヘッドセットと呼ばれるジャンルの製品で、そのうちの一つがQuestになります。他にはOculus Rift(リフト)であったり、HTC VIVE(バイブ)、PlayStationと組み合わせて使うPS VRなどが有ります。

Oculus Quest 箱

Oculus Questの特徴

VRヘッドセット部の360度・上下左右の視界が広がるヘッドセットに加え、Questでは両手・両腕の動きを認識するコントローラー、上半身の動きを認識するセンサーが有り、足以外の動きはVR内で認識(トラッキング)され自由に動かす事が出来ます。

Oculus Quest 開封

Questの一番の特徴は「PCやゲームハードとケーブルで繋ぐことなくそのままで様々なアプリが動作する」事です。初期設定の際にスマートフォンアプリを用いたり、あとは無線LANとの接続は必要ですが、物理的なケーブル無しで気軽に使い始める事が出来ます。アプリはOculusのストアからダウンロードしたり購入したりすることができ、このアプリストアもヘッドセット単体で操作可能です。

Oculus Quest アプリストア

もちろんQuest単体でのCPUやグラフィックスの性能はハイエンドゲーミングPC程ではなく、ほぼPCでのプレイを前提とするような重いアプリは難しくなってくるのですが、USBケーブル1本でPCと接続する「Oculus Link」を利用する事でPC向けのVRアプリを楽しむことも可能です。現在はベータ版扱いで対応するGPU(グラボ)に制限が有りますので、Oculus Linkを使ってPC向けVRも楽しみたい場合はあらかじめ対応GPUをチェックしましょう。

ここからは実際に触ってみた物を紹介します。

デモアプリ

初めて起動し、必要最低限の設定を済ませるとデモアプリが起動するのですが、これがまたかなり良く出来ています。VR空間内の物を自由につかんで動かしたり、ピンポン玉をラケットで飛ばしてみたり、ダンスを楽しんだり、ガンシューティングをしてみたりと行った事をさくっと一通りやってみる感じなのですが、この時点でVRの中で(特に腕が)自由に動けるという感覚はかなり感じられます。

Prime Video VR

Amazon Prime Videoを見る為のアプリですが、先にPCのWebブラウザなどで有料レンタルをしておけば、サブスク契約ではなく作品単位課金でも映画・ドラマを見られるので非プライム民でも安心です。これが、PCの画面よりは大きいけどそのくらいかなぁと思っていたのですが、想像以上に良い体験でした。

まず、画面全体のサイズは3段階から調節できるのですが、最大サイズではIMAXシアターを近めの席で観ている時と同じレベルには大きな映像で視界が覆われます。視界面内には映像のみが有りあとは暗闇という空間で観る事になるので、かなり「シアターで観ている」に近い感覚が有ります。PCではありがちなちょっと一時停止してSNSを見てしまうという事も無い(一応QuestにもWebブラウザは有るのですが、そういう感じにはならない)ので作品に集中できるのもポイント。

映像は有機ELパネルな事もあり暗部のクオリティもそこそこ。暗いシーンが黒潰れして見えなかったり逆に白く浮きすぎているような事は今の所は遭遇していません。解像度的には正直フルHDの高品質な液晶で観た方がクッキリしています。特にエンドロールのスタッフ名などは露骨にジャギーが有るのですが、VRだからこその雰囲気と有機ELによる色の質はなかなか良いレベルで、この位の解像度ダウンならこっちの方が良いかなと思える人はそれなりに多いと思います。

音に関してはまぁ内臓スピーカーだなという品質で映画を観るには軽い音ですが、イヤホンやヘッドフォンが利用可能です。感度の高いイヤホンでは若干のホワイトノイズが有りますが、Final E3000を利用した際は適度な感度の低さでホワイトノイズも消え良い感じの音響でした。

1本の映画を観終わりヘッドセットを外した時は周りが明るくなり、映画館から出てきた時のような感覚が有りそれもまた良いです。

YouTube VR

映像系だとNetflixだったり(私は使った事が無いですが、没入感はPrime Videoの方が良く出来ているらしい)、Youtubeアプリだったりなどが有ります。

Youtubeアプリは動画だけでなく生配信の方も閲覧可能です。Youtubeの動画やライブを高品質で楽しめる他、動画を見た後の他の動画への移動、チャンネルも問題なくアクセスできます。

YouTube VR アプリ

BeatSaber

両手にレーザー剣を持って迫ってくるノーツを斬っていく音ゲーです。VR向けアプリとしてはかなり有名なアプリです。なかなか面白いですが、有料で追加できる楽曲を含めてもそう楽曲数が少ないなぁというのは難点。非公式&動作保証なし&自己責任ですがMODで曲の追加も出来るようです。

BeatSaber アプリ

VRChat

年齢・性別・人ではない種族・ロボットなど問わず好きなアバターになり、好きなワールド・興味のあるワールドを回り、知り合いだったり見知らぬ誰かと雑談したりなどできるバーチャルワールドアプリです。Oculus向けのVRChatアプリも有りますが利用できるアバターや行けるワールドに制限があるため、前述のOculus Linkを利用してPC向けVRヘッドセットとしてSteam VR版VRChatをプレイするのがオススメです。

VRChat アプリ

アバターやワールドは(3DモデリングやUnity等かなり専門知識が求められますが)自分で作成する事も可能でこれも結構面白いです。また、他の人が作ったアバターを購入して利用する事も出来ます(これにも若干の専門知識が求められますが、ググれれば何とかなります)。

VRChat アプリ

他にはYoutubeが再生できるようなワールドで複数人で動画を見たり、ワールド自体が簡単なゲームになっていたりなども。

Robo Recall

暴走している自社製品のロボをハンドガン・ショットガン・殴る・掴んで投げる・引きちぎる・飛んでくる弾を掴んで投げかえすなどの物理でリコール作業していくゲーム。360℃から現れる敵をバッタバッタやっていく。雰囲気に反してほとんど3D酔いしないです。

バーチャルデスクトップ

Oculus Link利用時にはいつでも「バーチャルデスクトップ」でPCのデスクトップ画面を表示・操作可能です。この状態で長文を入力したりするのは厳しいですが、ちょっとWebを確認したりなどが可能です。

Oculus バーチャルデスクトップ

Questでは出来ない事

もちろんできない事も有ります。

Blu-rayの再生

先述のバーチャルデスクトップ機能ではPCデスクトップ上の内容が表示できますが、Blu-ray再生の様に著作権保護の厳しいものはPCにBlu-rayドライブが有る場合でも残念ながらバーチャルデスクトップを利用して再生する事は出来ません。動画を観るにはQuestのアプリストアから入手できる前述の動画サービスアプリなどを利用しましょう。

Facebook以外への(操作簡単な)SNS共有

Oculus Questは単体でスクリーンショットやプレイ動画の録画ができるのですが、Facebook以外のSNSへ投稿する機能が有りません。また、QuestのWebブラウザアプリでSNSにアクセスしてもスクリーンショット画像の添付は行えません。本体内に保存されたスクリーンショットやプレイ動画はPCへの接続時にUSBストレージとしてアクセスできるので、面倒では有りますがPCから投稿する事は可能です。

PlayStationでの利用

PlayStationでVRを利用するにはPS VRが必要となります。PlayStation向けにしかリリースされていないアプリ、OculusやSteam VR向けにしかリリースされていないアプリの壁が有ります。

その他:眼鏡での利用について

メガネ着用者でも問題なく利用できます。眼鏡利用時向けに物理的に画面と目に距離を広げるアダプターも同梱されています。なお、アダプター無しでの眼鏡利用はレンズに傷が付く可能性も有るので、メガネ着用者は必ず最初からアダプターを付けておきましょう。

ご興味が有れば

とここまで紹介してきましたが、VRは実際にヘッドセットをかぶって見てみない事には伝わらない部分も多いです。また、金額的にも公式ストアで税込み49,800円(2020年7月3日現在)とハイエンドスマートフォンに比べればかなり安いものの、とはいえハードルの高い金額です。出来る事・出来そうな事に興味が有り、金額にチャレンジできそうならぜひ。動画再生機としても良い感じです。

個人的にはFPSジャンルはまだほとんど触っていないのでその辺も良さそうな物が有れば触ってみたいですね(友人のHTC VIVEで触った「SUPERHOT VR」はなかなか面白かったです)。

Oculus Quest 公式


CentOS 8のサポート期間の考え方は6や7とは異なります

CentOS 8.x (クローン元であるRHEL 8も含む)では CentOS 6 や 7 までとはいくつかサポート期間(サポート期限)の扱いが異なっています。

BaseOSリポジトリとAppStreamリポジトリ

CentOS 8 ではOSとしての機能を提供する「BaseOS」リポジトリと、開発言語やデータベースサーバー等を提供するアプリケーションストリームのリポジトリである「AppStream」リポジトリの2つのリポジトリで構成されます。また、パッケージ管理を行うdnf(これまでと同様にyumコマンドを実行した場合もdnfが呼ばれる)にはモジュールという仕組みが有り、モジュールの切り替えという概念が追加されています。

BaseOS リポジトリ:
CentOS 8 のOSとその周辺機能が提供されます。
サポート期限は2029年5月末まで。

About/Product – CentOS Wiki
https://wiki.centos.org/About/Product

OSとその周辺機能は10年間のサポートが提供されます。この期間はCentOS 7と同様です。

AppStream(アプリケーションストリーム)リポジトリ:
各種開発言語やRDBMS、サーバーアプリケーションやその他の各種ツール類等が提供されます。
サポート期限はアプリごとのストリームにより異なります。

Red Hat Enterprise Linux 8 Application Streams Life Cycle – Red Hat Customer Portal
https://access.redhat.com/support/policy/updates/rhel8-app-streams-life-cycle

主な内容とそれぞれのサポート期限は上記リンクを参照してください。RHELでの情報ですがクローンであるCentOSも同じ扱いになるかと思います。AppStreamでは例えばWebサーバーのApache、Nginx、ソフトウェア開発関連ではPHP、Ruby、Python、Perl、OpenJDK、データベースサーバーとしてはMySQL、MariaDB、PostgreSQL、Redisなどが提供されています。

アプリケーションによっては複数バージョンから選択して導入する事が出来るようになっており、どのバージョンを導入するかはモジュールの有効化・無効化で選択する事が可能です。モジュールはPHPであればCentOS 8.0 1905時点では7.2のみの提供でしたがCentOS 8.1 1911でPHP 7.3のモジュールが選択できるようになり、同様にNodeJSでは10に加え12が、Rubyでは2.5に加え2.6が選択出来るようになるなど、ある程度新しいバージョンをキャッチアップしていく事が可能なようです。

現在利用可能なモジュールは
dnf module list (yum module listでも可)
を実行する事で表示されます。また、
dnf module list –enabled
を実行する事で現在有効なモジュールのみが一覧表示されます。

なお、AppStreamで提供されているすべてがモジュールになっている訳ではなく、例えばgitコマンドなど複数バージョンから選択して導入するという要素が薄いようなものはモジュールの選択は有りません(上記のリンク先に掲載されていないアプリ・ツール類が多く存在します) (*1) 。

変化していくCentOSの立ち位置

つまりCentOS はCentOS 7までの

・サポート期間が開発言語やRDB、Webサーバー等含めディストリビューション全体で長大で、本家でサポート期間が終了していてるソフトウェアでもある程度のセキュリティフィックスが提供される。
・そのサポート期間を目的にする場合は化石のようなバージョンを使い続ける必要が有る(例えばCentOS 7ではPHPは5.4、Rubyは2.0.0が導入される)。それが困るので有れば別途リポジトリを追加するなりコンパイルするなりして導入する。

というディストリビューションからCentOS 8では

・OSとその周辺機能のサポート期間は10年確保しつつ、開発言語やRDBMS等の各種アプリケーションのサポート期間はそれよりも短い期間。
・各種アプリケーションは比較的新しいバージョンに能追従可能(追従していく必要が有る、とも言う)で、公式リポジトリのみでバージョンの切り替えができる。

というディストリビューションに変化します。

「化石バージョンでいいなら全てが長期間サポートされる一枚岩のLinuxディストリビューション」ではなくなったので、利用ソフトウェアの運用方針に注意しましょう。

Using AppStream :: CentOS Docs Site
https://docs.centos.org/en-US/8-docs/managing-userspace-components/assembly_using-appstream/

Managing versions of Application Stream content :: CentOS Docs Site
https://docs.centos.org/en-US/8-docs/managing-userspace-components/assembly_managing-versions-of-appstream-content/

※1: メール関連ではPostfixはBaseOSリポジトリで提供される一方でDovecotはAppStreamリポジトリ内に含まれています。何とも言えない基準。

2020年12月10日追記

詳細は公式の情報等を参考にして頂きたいですが、「RHELの該当バージョンに対応する無償版ディストリビューション」としてのCentOS 8は2021年で終了となる事が発表されたようです。今後はRHELよりも上流、RHELの先行テスト版のような立ち位置になる「CentOS Stream」に注力されている事になります。今後もCentOS Streamが維持されますが、立ち位置やリリース方法などが従来のナンバリングCentOSとは異なりますので諸々情報を確認したうえで、利用可能か判断が必要です。

CentOS Project shifts focus to CentOS Stream