作成者別アーカイブ: uraku

[イヤホンレビュー] final E3000 を偏った116曲で聴き比べ

7月に購入し3か月ほど使用したイヤホンfinal E3000。お手頃な価格の割になかなかバランスの良い音を鳴らすので良いイヤホンなのですが、改めて100曲弱聴き比べてみました。

先に傾向を

音としてのバランスは曲を曲として聴くのに適したいい水準です。目立ってボーカルの艶が有る!とか重低音が凄い!解像度が高い!という感じではないですが、全体として良いバランスで鳴らす事が多いです。音場感も悪くないです。

相性の良い曲としては「高めだけど芯のある声」「少なめの音」「ある程度の低音」の曲でバランスの良さを発揮する事が多いです。特に一つ目ですね。また、ある程度の解像度を保ったまま角が無いウォームな傾向のある音色である事と、一部の曲で沈み込むような低音を出すのでそこがマッチするとE3000らしい特色が出てきます。半面それが悪い方向に働く一部の曲では低音が強すぎるように感じる事も。

ボーカルと伴奏の音が両方高い方で複数鳴るような曲にはあまり向きません。キラキラした高めの音が沢山前に出てくる曲ではヘタに高音に角が無い分、刺さるような音ではなく高音の音の層としてのうるささを感じる場合が有ります。

バンドサウンドに関しても中~低音でたくさんの音が鳴るとあまりいい印象に聴こえない事が有ります。

ボーカル単体で見た場合、ボーカルに対して分かりやすい艶の良さは感じられない事が多いです。これはfinal自身も狙ってやっている事のようで、公式Webサイトには以下のような記載が有ります。

最新の音響工学、心理学の研究成果を踏まえ、音質設計を行いました。高音の一部を強調するという一般的な音作りの手法を使うと、一聴して音の鮮やかさを感じさせるのですが、そのことによって、他の音域が埋もれて聴こえにくくなってしまいます。E3000では、強調した音域を作らないことで、高い解像度と広いサウンドステージを実現しました。低音から高音までバランス良く再生することで、ホールで音楽を聴いているような音の広がりを体感していただけます。
一聴したときのアピールよりも、長く使うほどに良さを感じる「定番」と呼ばれることを目指した、
ナチュラルな音質を追求した製品です。

http://snext-final.com/products/detail/E3000.html

116曲聴き比べ

相性が悪い曲がそれなりに多いような書き方になってきましたが、実際どういう曲でどういう傾向なのか、以下をご覧ください。偏っていますが。

試聴環境:foobar2000 (ASIO出力) → Amulech AL-9628D

ハマる

  • Beyond the Bottom (Wake Up, Girls!)
    ベスト盤では微妙に調整が違うのですがシングル盤の方になります。とにかくバランスが良く鳴ります。適度に前に出て適度に尖らない声。悪い方に転ばない適度な低音。5人それぞれの歌声と伴奏がれぞれに無理を感じさせずに聴き取れます。クリア感や高解像度感は強くないですがある程度のはっきりクッキリ感は有ります。キラキラ感の有る音は控えめですが聴き疲れしない鳴り方です。
  • 満天 (Kalafina)
    いっけん声の艶は少し足りないかもしれないですが、3人+伴奏のハーモニーには破綻が無く、うまく世界観を表現しています。伴奏の主張は気持ち強めに出ますが、聴いていてちょうどいい範囲に収まっています。

それなりに良く鳴らす

  • Kawaii make MY day! (M@STER VERSION) (中野有香 (CV: 下地紫野), 水本ゆかり (CV: 藤田 茜) & 椎名法子 (CV: 都丸ちよ))
    中野有香 (CV: 下地紫野)さんの声と特に相性が良い楽曲。中野有香のソロ楽曲である恋色エナジーでも声については相性の良さを見せます。
  • エヴリデイドリーム (佐久間まゆ (牧野由依))
  • 祈りの花 (依田芳乃 (高田憂希))
    沈み込む低音が鳴るタイプの曲。伴奏の主張は強めに出るがそれが歌唱やその他の音をマスクせず良いバランスを両立しています。
  • おんなの道は星の道 (村上巴 (花井美春))
    曲調や声質がE3000のウォームな鳴り方や適度な低音と相性が良い曲。
  • Over AGAIN (Jupiter (寺島拓篤, 松岡禎丞, 神原大地))
    このぐらいの音の数と相性が良い事が多いですね。といっても実際にはかなり細かい音が鳴っていますが、全体として悪くないバランスで聴き取れます。もうちょっと原曲の音が良ければなぁ。
  • バベルシティ・グレイス (アンティーカ)
    バベルシティ・グレイスは試聴環境を選ぶ曲で軽くなりすぎたり重くなりすぎたりしやすい構成なのですが、どちらにもよらない所にまとまっています。歌唱についても演奏に対して勝ちも負けもしないところにいます。アイドルマスター シャイニーカラーズの楽曲とE3000はリファレンス環境の一つなのかと思うほど全体的にバランスが良くなります。
  • 太陽キッス (放課後クライマックスガールズ (河野ひより, 白石晴香, 永井真里子, 丸岡和佳奈, 涼本あきほ))
    やはりバランスが良いシャニマス楽曲。もっと開放感が欲しいですがイヤホンとしては良い水準。高音成分多めな伴奏なのでそこについてはあまりベストではないが並の水準です。
  • サウンドスケープ (TRUE)
    艶や声の伸びはもうちょっと欲しく感じる事も有りますが全体として聴きやすいです。
  • DARAKENA (野水いおり)
  • Fight 4 Real (Altima)
  • sister’s noise (fripSide)
  • killy killy JOKER (分島花音)
  • TESTAMENT (水樹奈々)
    低音がうるさくなりすぎず適度にちょうどいい音を出します。もうちょっと広さが欲しい?
  • heavenly blue (Kalafina)
  • Turii~Panta rhei~ トゥーリと星の民 (Zektbach)
  • 多分、風。 (サカナクション)
    デジタル的な細かい音を拾うのには向かないが特定の音が飛び込んでこないバランスの良さ。低音が気持ち強めに出ますが曲調としてはOKです。
  • いばらの女王 (もな from AIKATSU☆STARS!)
  • Little Busters! ~TV animation ver.~ (Rita)
    これまでの傾向的にもやっぱりやはりこういう声質と合うんだなという曲。ギターの音もえぐくならない程度に楽しめます。
  • トワイライト (Le☆S☆Ca)
    低音の主張は強めでバランスが良い感じではないが強いが曲調として正解。ウォームな傾向も曲との雰囲気に合います。
  • 少女終末旅行 -MainTheme- (末廣健一郎)
    沈み込むような低音が顔を見せる曲。この曲を試聴してE3000を買いました。
  • HAPPY PARTY TRAIN (Aqours)
    ラブライブ!とラブライブ! サンシャイン!!では曲調や音の使い方に若干傾向の違いが有りますが、全体曲ではサンシャイン楽曲と合う事が多いです。ラブライブ!の方では3人組サブユニットとの相性が良いです。
  • 少女交響曲 (Wake Up, Girls!)
  • コンプレックス・イマージュ (彩音)
  • 神奈川電脳暗渠 (南ゆに)
    ボーカル無し楽曲です。エレクトロな音との相性は割と良く低音の量感も元が強すぎなければプラスに働く事が多い印象です。

程度よく鳴らす

  • 迷走Mind (菊地真 (平田宏美))
  • チクタク (星井美希 (長谷川明子), 高槻やよい (仁後真耶子), 萩原雪歩 (浅倉杏美))
  • グッナイ☆スターズ (三浦あずさ(CV:たかはし智秋)、四条貴音(CV:原由実)、萩原雪歩(CV:浅倉杏 美)、星井美希(CV:長谷川明子))
  • 僕たちのResistance (M@STER VERSION) (星井美希 (長谷川明子), 如月千早 (今井麻美), 高槻やよい (仁後真耶子), 我那覇響 (沼倉愛美))
  • M@GIC☆ (CINDERELLA PROJECT)
  • Trinity Field (M@STER VERSION) (渋谷凛 (CV: 福原綾香), 北条加蓮 (CV: 渕上 舞) & 神谷奈緒 (CV: 松井恵理子))
    アイドルマスター シンデレラガールズでは最近のスターライトマスター曲は全体的にそつなく鳴らす事が多いように感じます。
  • 美に入り彩を穿つ (M@STER VERSION) (小早川紗枝 (CV: 立花理香) & 塩見周子 (CV: ルゥ ティン))
  • Vast world (M@STER VERSION) (緒方智絵里 (CV: 大空直美), 白坂小梅 (CV: 桜咲千依), 堀裕子 (CV: 鈴木絵理), 双葉杏 (CV: 五十嵐裕美) & 諸星きらり (CV: 松嵜 麗))
  • クレイジークレイジー (M@STER VERSION) (一ノ瀬志希 (CV: 藍原ことみ) & 宮本フレデリカ (CV: 髙野麻美))
    展開にメリハリのある曲。盛り上がりのピークで低音の鳴り方がちょっと強すぎる所は有りますが、展開が進むごとにだんだん盛り上がっていく所など上手く鳴らします。これが他のジャンルの曲ならもうちょっと評価の下がる鳴り方だけどこういうジャンルの曲なのでOKという所。
  • ニャンと☆スペクタクル (前川みく (高森奈津美))
  • Decided (徳川まつり (諏訪彩花) x 馬場このみ (高橋未奈美))
  • 恋花 (四条貴音 (原由実))
  • 初恋バタフライ (宮尾美也 (桐谷蝶々))
  • Melty Fantasia (EScape (阿部里果, 南早紀, 雨宮天))
    相性の悪い音が多めの曲ですがある程度それなりに鳴らします。
  • RED ZONE (4Luxury (香里有佐, 末柄里恵, 平山笑美, 高橋未奈美))
  • 赤い世界が消える頃 (矢吹可奈 (木戸衣吹), 佐竹美奈子 (大関英里), 篠宮可憐 (近藤唯), 真壁瑞希 (阿部里果), 北上麗花 (平山笑美))
  • はなしらべ (エミリー=スチュアート (CV.郁原ゆう))
  • 我が混沌のサバト・マリアージュ (アスラン=ベルゼビュートⅡ世(CV.古川慎))
  • Because (桜庭 薫 (CV.内田雄馬))
  • ヒカリのdestination (イルミネーションスターズ)
  • 飛竜の騎士 (TRUE)
  • Divine Spell (TRUE)
  • Changing point (i☆Ris)
  • COLORFUL BOX (石田燿子)
  • Resonant Heart (内田真礼)
  • モラトリアムダンスフロア (内田真礼)
  • 5:00AM (内田真礼)
  • EXCITE (三浦大知)
  • KILL☆ER☆TUNE☆R (777☆SISTERS)
  • WORLD’S END (セブンスシスターズ)
  • black bullet (fripSide)
  • Love your enemies (分島花音)
  • 叫べ (沼倉愛美)
  • シドニア (angela)
  • 僕じゃない (angela)
  • 増殖罵倒少女の愚恋 (上坂すみれ)
  • 横浜リリー (ポルノグラフィティ)
  • 朝と夜の物語 (Sound Horizon)
  • 非線形ジェニアック (いとうかなこ)
  • Unicorn in the Blue (雫シークレットマインド)
  • MOMENT RING (μ’s)
  • 微熱からMystery (lily white〜園田海未(CV.三森すずこ)、 星空 凛(CV.飯田里穂)、東條 希(CV.楠田亜衣奈)from μ’s〜)
  • 春情ロマンティック (lily white)
  • ラプ・ストーリーは突然に (小田和正)
  • DAY by DAY (鵜野うずめ(CV:大橋彩香), ささら(CV:津田美波), カティア(CV:徳井青空), しめじ(CV:赤﨑千夏), マドレーヌ(CV:大原さやか) & 小明(CV:長谷川明子))
  • ホシトハナ (讃州中学勇者部(照井春佳、三森すずこ、内山夕実、黒沢ともよ、長妻樹里))
  • TILL THE END (アポロン(CV.入野自由), ハデス(CV.小野大輔), 月人(CV.上村祐翔), 尊(CV.豊永利行), バルドル(CV:神谷浩史) & ロキ(CV:細谷佳正))
  • やまない声 (パスピエ)
  • スピードと摩擦 (amazarashi)
  • タクシードライバー (amazarashi)
  • FLY two BLUE (大空遥(CV:優木かな)、比嘉かなた(CV:宮下早紀))
  • ネコ飼いたい (ヤバイTシャツ屋さん)
  • アザレア (nano.RIPE)
  • 雷獣 (桃梨)
  • セカイがカフェになっちゃった! (Petit Rabbit’s with beans)
    相性があまり良くないキラキラした音が多めの曲ですが適度に丸め込まれた鳴り方で全体としてのバランスは悪くないです。
  • Monochrome Anomaly (Feryquitous Vo.F9)
  • Reality Distortion (かめりあ vs Akira Compex)
    こういう音でも割といけます。

もうちょっと・好みが分かれる鳴り方

  • Little Match Girl (M@STER VERSION) (如月千早 (今井麻美) & 萩原雪歩 (浅倉杏美))
    全体的に伴奏の方が勝ってしまう。
  • “HELLO!!” (M@STER VERSION) (日高愛 (戸松遥), 水谷絵理 (花澤香菜), 秋月涼 (三瓶由布子))
    低音が悪い方に出る曲。ブーミーな印象。
  • in fact (橘ありす (佐藤亜美菜))
    声に対して伴奏が強くなりがち。声が負けているわけではないのでこれはこれで好きな人も居るのではないかと思う。
  • Silent Joker (真壁瑞希 (CV.阿部里果))
    悪くはないけど何かしっくりこないんですよねぇ……。
  • little trip around the world (エミリースチュアート (郁原ゆう) x 水瀬伊織 (釘宮理恵))
  • FairyTaleじゃいられない (Fairy Stars)
    純粋に相性が悪い曲。他のイヤホンで聴く事ををお勧めします。
  • 花ざかりWeekend (4Luxury (香里有佐, 末柄里恵, 平山笑美, 高橋未奈美))
    悪くはない。
  • 強く尊き獣たち (THE 虎牙道)
  • Tone’s Destiny (Altessimo (土岐隼一, 永野由祐))
    E3000が得意としない声質。悪くは無いです。
  • 幾千光年の孤独 (THE BACK HORN)
    こういうサウンドとの相性が良くないですねぇ。ちょっとガチャガチャした印象。
  • crossing field (LiSA)
    声が勝ってしまうパターン。慣れればアリ。
  • divine intervention (fhana)
  • 星屑のインターリュード (fhana)
    悪くは無いです。
  • SPEED GRAPHER (岸田教団&The明星ロケッツ)
  • Los! Los! Los! (ターニャ・デグレチャフ(CV:悠木碧))
  • エルの天秤 (Sound Horizon)
  • KABANERI OF THE IRON FORTRESS (from BEST AL“ALTER EGO”) (EGOIST)
  • The Everlasting Guilty Crown (from BEST AL“ALTER EGO”) (EGOIST)
  • STEP by STEP UP↑↑↑↑ (fourfolium (高田憂希, 山口愛, 戸田めぐみ, 竹尾歩美))
    こういう声が高め+キラキラした音が鳴る曲ではあまりいい結果を出さないです。
  • せーのっ! (情報処理部(大久保瑠美、津田美波、種田梨沙))
  • MASQUERADE (Versailles)
  • イグジスト (angela)
  • 暁月夜 (茅原実里)
    これもキラキラした音との相性が良くないパターン。
  • Forbidden (BUD VIRGIN LOGIC)
  • ヒラリ / ヒトリ / キラリ (わか・ふうり・すなお・れみ・もえ・えり・ゆな・りすこ from STAR☆ANIS)
  • 雪国 (東京事変)
  • 吹雪 (西沢幸奏)
  • (cosMo@暴走P)
  • 深海少女 (ゆうゆ feat. 初音ミク)
  • Horoscope (岡崎体育)
  • スピカテリブル (南ことり(CV.内田彩) from μ’s)
  • イナンナの見た夢 (Zwei)

総評

本当に合う曲には条件が有りますし人それぞれの鳴り方の好みや耳の聴こえ方の違いは有りますが、「程度良く鳴らす」以上に入っているものはどれも並以上のバランスで鳴らしてくれます。価格帯に対して一定のレベルは有るかと思います。アーティスト・コンテンツ単位で言うとシャニマス楽曲は妙な相性の良さが有りました。偏ったレビュー対象曲ですが、好みの曲が上位に含まれていたら一度お試ししてみてはいかがでしょうか。

小ネタ

音質面以外の話について。

  • 左右が分かりづらい?
    E3000Cを買うと片方にリモコンとマイクが付いているので簡単に見分けがつきます。リモコンを使う頻度が低くても分かりやすさ重視でE3000Cを選ぶのはアリです。
  • 強度は?
    ケーブルがイヤホンのハウジングから直接生えている作りになっているのでケーブルを引っ張るのはやめておいた方がいいでしょう。
  • 耳の形との相性
    本体はコンパクトでイヤピースも5サイズ有るので合わない人はなかなかいないんじゃないかと思います。気持ち大きめのピースを推奨。ただ、抜けやすい人はそれなりに居そうな印象も有るので耳掛けスタイル(いわゆるshure掛け)推奨です。耳掛けにも対応しています。
  • 遮音性は?
    一定の遮音性は有るものの、騒音の多い環境には向きません。回りが煩い場合に聴きづらい傾向の音になりがちなのである程度静かな環境で使った方がいいです。

Amazon.co.jpアソシエイト

Amazon.co.jpアソシエイト

Amazon.co.jpアソシエイト

Amazon.co.jpアソシエイト

Amazon.co.jpアソシエイト

WSL (Windows Susystem for Linux) を本格的に開発で使い始めた話

とある理由から WSL (Windows Susystem for Linux) を本格的に開発で使い始めました。その環境や手順、所感など。

前提: これまでの開発環境

  • PHP (Windows版)、メインで使うバージョンだけパスを通し、それ以外のバージョンは手打ちという方法で簡単に複数バージョン共存できます。WebサーバーもPHPのビルトインサーバを使います。
  • Composer(Windows版)、こちらもWindows版が有りあります。
  • MySQL (Windows版)、MySQL / MariaDB を使っている環境の開発用。唯一Linux向けと明確に異なる点としてDB名やテーブル名の大文字小文字を区別しませんが、小文字しか使わないので特に問題になりません。
  • PostgreSQL(Windows版)、PostgreSQLを使っている環境の開発用。特に何も困らず動きます。
  • Node.js、Windows版を利用。Node.js向けのアプリを書くのではなく各種ツールを利用するために導入。npmやwebpackなど特に問題なく動きます。
  • Redis(Windows版)、Windows向けのRedisは若干バージョンが古いものしか見つかりませんがまぁ普通に動きます。
  • Git for Windows、どちらかというとmingwを利用するための導入。実際のGitクライアントとしてはSource TreeのWindows版を利用しています。

前提: これまでのノウハウなど

Windows環境にちゃんと動くComposerを導入する

Windows環境のComposerを複数PHPバージョンで使い分ける

WindowsのコマンドプロンプトからOS標準のsshやtarやcurlコマンドを使う

上記を雑にまとめるとPHPの複数バージョン共存はWindowsでも簡単だし、ごく一部でLinux環境に依存しているComposerパッケージもGit Bashから実行すれば問題無いという話です。

発生した課題

この環境で長らく問題が無かったのですが、Symfony 4 + Flex の環境で開発するにあたって、/bin/console からのコマンドがコマンドプロンプトからは上手く動作しません。これは consoleがWin32なバイナリではなくshebang でPHPを実行しているからなので、ちょっと工夫すれば動くかと思われるのですが、せっかくLinuxに依存する物の実行環境としてgit bashを用意しているのでそれを使ってみます。

実際git bashで問題なく動くのですが、git bash(の利用しているmingw)の限界としてCtrl + Cでビルトインサーバーを止める事が出来ませんでした。どちらも制限アリで使えるのですが、この際せっかくなので本格的なLinux環境としてWSL (Windows Subsystem for Linux)を導入してみます。

WSLはかつてのバージョンではソケット通信が出来なかったりPostgreSQLなどの高度なツールが使う一部の機能に対応せず動作しなかったりデーモンとしてのプログラム起動が出来なかったりしましたが、2018年10月13日現在のWindows 10 リリース1803においては問題ない状態となっているようです。

導入方法

ググればいくらでも情報は出てくるので簡単に。ただしWSLリリース初期は今とは若干異なる手順でしたので古い情報にはお気を付けください。

  1. 「プログラムと機能」→「Windowsの機能の有効かと無効化」→「Windows Subsystem for Linux」を有効化。OS再起動を求められるので再起動します。

  2. Microsoft StoreでUbuntu 18.04 LTSをインストール。他のバージョンやUbuntu以外にもいくつかディストリビューションが選べます。
  3. スタートメニューからUbuntuを起動する。初回起動はインストールの続きが行われるので長めです。一般ユーザー名とsudo時に使うパスワードを求められますがどちらもWindowsのログインに使っているものと同じでにしました。
  4. フォント指定やデフォルトウィンドウサイズの変更はタイトルバー右クリック→「プロパティ」から。個人的にターミナル向けフォントとして長年使っているVLゴシックを指定。
  5. インストールしたままだと一部パッケージが最新でないのでaptコマンドで初回のパッケージ更新を行います。
    sudo apt update
    sudo apt upgrade
  6. あとはほぼ普通のUbuntu Linux環境ですのでaptコマンドなりなんなりで必要なツールチェーンを入れます。私はUbuntu公式のレポジトリからPHP 7.2を導入しました。Windows上のドライブは /mnt/ 配下にマウントされているので開発中リソースはそのままWSL上からも見えますのでどちらからも編集できます。

動作状況

Symfony 4 + Flex の /bin/console CLIなど特に問題なく動作します。/bin/console server:run によるビルトインサーバ起動も問題なく動き、Ctrl + C による終了も問題ありません。

今回PHPを実行する環境としてWSL上でPHPを動かしていますが、DBへの接続はlocalhost指定であろうとTCP/IP接続なので、これまで使っていたWindows版のMySQLやPostgreSQLに普通に接続できます。今はWSL上でもPostgreSQLなどが動きますが速度的にもとりあえずWindows版のまま使おうと思います。

また、ソースをWindows上で動くPHP Stormで編集する事も、それらをWindows版のSource TreeでGit管理する事も特に問題有りません。必要な部分だけをWSL上から実行する事が出来ます。

速度は気持ち程度遅いですが、PHPビルトインサーバを使っている分には特に困らないです。

所感

以前は辛い部分も多かったようですが、今の所思っていた以上に普通のLinux環境として使えます。普段からLinuxサーバーを触っている身としては独自の文化やしきたりを求められないのは使いやすいです。各種アプリパッケージの導入も apt コマンドなど「Linuxディストリビューションとして普通の方法」で行う事が出来ます。Virtual Machineのような環境ではなく、あくまでWindowsのまま必要なツールだけをWSL上から実行できるのも使い勝手が良いですね。

動作速度的にもWSL上でRDBを起動し巨大なテーブルを幾つも載せる、といったような使い方にはあまり向いていないと思われるので、RDBはWindows版を使ったまま「これまで以上にリッチかつナチュラルに使えるLinuxツールチェーン環境」として使うのが良いんじゃないかと思います。


Amazon.co.jpアソシエイト

Amazon.co.jpアソシエイト

Amazon Lightsailの利用料金が半額になったのでインスタンスをスケールアップする

AWSのVPSサービスであるAmazon Lightsailの料金が半額になったという発表が有りました。値下げされた分、これまで最も低コスト・低スペックなプランを選択していたインスタンスをワンランク上のインスタンスにスケールアップしてみようと思います。

Lightsailについて

LightsailはEC2よりもかなり手頃なコストで仮想サーバーを利用する事ができる仮想サーバーです。VPC上にEC2を立てるよりは柔軟性が落ちる物の、固定IP設定、固定IP付け替え、スナップショット取得、ディスク追加、ロードバランサ―機能、ファイアウォール、DNS機能などが利用できます。また、安い利用料金にある程度のデータ転送料金も含んだ形になっているのでEC2よりも費用感が想定しやすいのもメリットです。

Lightsail
https://aws.amazon.com/jp/lightsail/

Amazon Lightsail が 50% の値下げと 2 つの新インスタンスサイズを発表
https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2018/08/amazon-lightsail-announces-50-percent-price-drop-and-two-new-instance-sizes/

これまで512MB RAMのインスタンスに月額5ドルを払っていた分で、新料金プランでは1GB RAMのプランを契約できるようになります。安くなった恩恵をそのまま受けてもいいのですが、512MBでは常時スワップを消費するような運用になっていたのでこの機会にスペックアップさせます。

要点

Lightsailインスタンスのスペックアップは「スナップショット取得」→「新マシン作成」→「静的IPの付け替え」で行います。これまで使っていた静的IPがそのまま使えるのでDNSの設定変更は不要です。ダウンタイムの発生はIPを付け替える際の1~2分程度です。

この手順を行うには以前はAWS CLIでの操作が必要だったようですが、現在はコンパネの操作で完結します。

手順

AWS マネジメントコンソールから Lightsail の画面に移動します。

最新のスナップショットを取得します。

作成したスナップショットから新規インスタンスを作成していきます。

インスタンスプランは3.5ドルのプランが初期選択になっているので5ドルのプランに変更します。

しばらく待つとインスタンスが起動します。

SSHで接続確認。

メモリが増えている事を確認。ディスクサイズがアップした分も自動で認識されています。

ファイアウォール設定はインスタンスごとになるので既存のファイアウォールと同じように適宜調整します。HTTPSが初期状態では開いていないのでHTTPSを追加しておきます。

Webブラウザから接続確認。IPアクセスの為証明書がエラーになる以外は問題なく接続可である事を確認。ミドルウェアのバージョンアップなどはこのタイミングで必要に応じて行っておきます。

インスタンスの画面からネットワーキングの画面に移動。静的パブリックIPの管理画面に移動。既存のインスタンスから「デタッチ」を行い、新しく起動したインスタンスに「アタッチ」し直します。間違って静的IPを削除したりしないように気を付けます。

新しいインスタンスを選択してアタッチ。

旧インスタンスで使っていた静的パブリックIPでSSH接続。メモリやディスク容量からも新しい方のインスタンスになっている事が確認できます。Webブラウザからも問題なくアクセスできることを確認。

もろもろ問題が無ければ旧インスタンスを削除。

これで切り替えは完了です。

旧インスタンスのスナップショットは残ったままなので適宜削除してください。また、新しいインスタンスのスナップショットが無い状態ですのでスナップショットも取得しておくといいと思います。

IPの付け替えにかかる時間は短くインスタンスの利用料金も1時間単位での課金(月額5ドルという数字は一か月起動したときの料金)ですので、Lightsailのスペックアップは気軽に検討して行けそうですね。