アニメ・ゲーム・本・音楽」カテゴリーアーカイブ

2021年 買って・見て・読んで・始めて良かったもの

2021年も終わりという事でもろもろ見て・読んで・始めて良かったものをまとめてみる。「行って」編は別でまとめます。

買った物

キッチンワゴン、その他もろもろ収納

部屋の収納が常日頃足りておらず特にキッチンが元々の狭さも有って全然収納が足りていなかったのですが、キッチンワゴンを2つ+他にも収納アイテム諸々を導入してだいぶ改善されました。ワゴンの片方は天板が有るタイプにしたのでキッチン狭すぎる問題もある程度改善されて良かったです。ガスコンロが1口しかないので複数の鍋を使う時にフローリングに直接敷いた鍋敷きに退避したりしていたんですよね……。今年のベストバイのひとつは間違いなくこれ。キッチン極小物件に住んでいる人は天板が有るワゴンを買いましょう。ニトリ製。

PC大拡張

今年は使っているPCをだいぶ拡張しました。振り返ってみると思っていた以上に手を入れている。

1月末
メモリを16GB (DDR4 2666) から 32GBに拡張。

4月
PCケースをとFractal Design Focus G Mini に入れ替え。後部12cmファンにthermaltake TOUGHFAN 12を取りつけ、CPUクーラーをscythe KOTETSU mk2 に入れ替え。

5月
CPUをAMD Ryzen 5 2600 から AMD Ryzen 5 5600X に換装。

6月
メインの液晶ディスプレイをよくある普通のフルHD液晶から ASUS TUF GAMING VG259Q (24.5インチ フルHD IPS 144Hz)に入れ替え。

8月
ロジクールのゲーミングマウス G304 を導入。

9月
OSの起動ドライブをSATA SSD 256GB から WD SN550 NVMe SSD 1TB に換装。

10月
GPUをNVIDIA Geforce GTX 1660 Super から Geforce RTX 3060 (ASUS PH-RTX3060-12G-V2)に換装。

12月
オーディオインタフェースにARTURIA MINIFUSE1を導入。マイクにTASCAM TM-82を導入。併せてマイクアームも購入。

これだけ拡張してもMBは同じままなんだからソケットAM4プラットフォームは柔軟性の高いプラットフォームでした。来年からはAM5なのでこれが最後の拡張になりそうですが、Microsoft Flight Simulator (2020) も VRChatの重めのワールドもApex LegendsもVALORANTもだいぶサクサクで、2022年の最新タイトルもプレイしていけるゲーミング性能になったと思います。新しいゲームを触ってみようと思った時に「動くかな?」「PS5もXSXも持っていない」を考えなくていいのは精神面にも快適。

144Hz駆動のモニターは普通にWebを見ている分にも滑らかで良いです。これゲームをしない人でも高リフレッシュレートモニター全然良いんじゃないかと思います。

十数年間の使用で色々な部分にガタの来ていたPCケースもついに入れ替えてだいぶ現代的な見た目になりました。側面が透明になっているケースを使うのは初めてですが、実際に使ってみるとこれはこれでアリ。ただ裏面配線は結構大変。

マウスはもともとロジクールのM590を使用していて普段使いには全然使いやすいのですが、ゲーム用としてはLoD(持ち上げてカーソルが反応しなくなる高さ)が高くてFPS向けでは無かったので、ゲームプレイ時はG304にする事でちょうど良くなりました。

マイクに関しては自分自身は特に困っていなかったのですが、Discordを使って一緒にVCプレイする相手に対してよりクリアに伝わった方がいいかなと。ARTURIA MINIFUSE1はそこそこ駆動力が必要なヘッドフォン AKG K712 Proでも楽々鳴らせる強いヘッドフォン出力を持っていてノイズも無くUSB DACとしても常用しています。まだ試していないですがループバックにも対応していて配信者用途にも有りなんじゃないかと。

今後この環境に何かするとしたら、いい加減座椅子は腰に良くないのでちゃんとしたデスクとチェアにする事かな……。

電子辞書 カシオ EX-WORD XD-SX8500BN

結構前から欲しかった電子辞書をようやく購入。PCが目の前に有るならGoogle検索やWeb上の辞書サイトを利用してもいいのですが、単品で有った方がメリットが多そうだったので。電子辞書は初めて使ったのですが「辞書を引く分に関しては」複数辞書を同時に引けて画面も大きく見やすく大分使いやすいと思います。

ただ、辞書以外のその他様々なコンテンツに関してはどこまで読んだかを記録する仕組みが無くしおり的な機能も無かったりで要改善ポイントが多いですね。昔からあるジャンルの製品ですが今までそういう要望は無かったんだろうか……。

良かったか微妙な点も有りますがどのみちいつか買う予定だったものなのでここに。

遊んだもの

Apex Legends、VALORANT、スプラトゥーン2

Apex Legendsは昨年から触ってはいましたが本格的には今年からだいぶ触りました。長らくPvPのゲームもFPSも触っていませんでしたがだいぶPvPの年になりました。昨年Oculus Questを買って昔からずっと続いていた3D酔い体質がなかば強制的に改善された事と、プレイ配信で見かけることが多かったのがきっかけ。

バトロワジャンル自体を Apex Legends で初めて触るのでだいぶ面白かったですねー。知り合いとやるのも野良とやるのもYoutubeで配信者のプレイを見るのも大会を見るのもそれぞれ別の楽しさが有りました。無料です。

その流れで始めたVALORANTは5対5の設置・爆破ルール+キャラごとのアビリティ有りのFPSでApexとは全然ゲーム性が違いますが、こちらはこちらで常時緊張感のある戦いでこれもまた良かったです。全体的にはApexよりシビアですがキャラコンはApexほどは求められないのでキャラコン下手な人が頑張れる余地はこちらの方が有るかもしれない?1プレイ1プレイが精神面への負荷重いんですが、楽しい時は楽しいし勝てた時の達成感が大きい。無料です。

ここまでシューターを2種類触ってみて、シューターとして見逃せない巨頭のひとつであるスプラトゥーン2も触ってみようかと手を出してみました。エイムがマウスではなくジャイロ操作+スティックなので操作面ではとても難しかったですが、なるほど確かに楽しいゲーム。結構違うように見えて意識するべき事はApexやVALORANTと共通する部分もちょくちょく有って、ここからシュータージャンルに興味を持つ人も多いだろう良いタイトルだなと思いました。

YoutubeだったりTwitchだったりでの諸々の配信関連は観る時期と観ない時期の波が有るんですが、FPSを多くプレイするようになってからの時期はいろんな配信者さん、Vtuberさんのプレイを見る事も多かったです。個人的に最も熱かったのはApex Legendsでの個人の強さ最強を決める大会「超滅Apex」です。本来は各3人のチーム戦であるApexなので特殊な大会では有るのですが、次元の違うレベルの戦いがただひたすらに凄かったです。Apex触っている人は観よう。

TITANFALL 2 (キャンペーン)

Apex繋がりで。一人でプレイするストーリーモード(キャンペーン)の評判がとても良いのですが、実際にプレイしてみてストーリーは王道宇宙SFファンタジーで良質ですし、FPSでありながらも「メイン武器が銃であるだけの良質なアクションゲーム」としてとても良く出来ていて、自信をもって面白いと言えるバランス。FPSは触らないんだよなという人も3Dアクションゲームだと思ってぜひ触ってみて欲しい作品。

読んだもの

うみねこのなく頃に散 EP8(コミックス版)

うみねこのなく頃にを締めくくるEP8のコミカライズ版、うみねこのなく頃に散 Episode8:Twilight of the golden witchです。原作者からの情報を元に原作ゲームから大幅に拡充されたエピソードを含めEP8だけで全9巻の大ボリューム。人によって賛否分かれる部分は有るかもしれませんが、私はうみねこを追っていた人はぜひ読んでほしいと思います。これを読んで綺麗に締めくくりましょう。今年もっとも「読んでおいてよかった」ものはこれ。読んだ上でまた原作ゲームのEP8を読んでみるのもいいと思います。

三体

超有名SFですね。最初の1巻だけ読みましたが、中国文革時代の重厚なエピソードから始まりだんだんと超科学的な現象の話になっていき将来的に宇宙スケールのSFの話や人類の未来をかけた話へ発展していきます。正直人名を覚えるのに苦労する部分は有ったりするのですがストーリーの面白さは間違いなく、重厚である部分は重厚で有りつつも、読んでいて苦痛を感じるような無駄な難解さは少なく意外とライトに読めます。2巻ではまた人物が大幅に入れ替わっていて……そこで読み途中。

東京リベンジャーズと【推しの子】

今年全く新しく読み始めたコミックスとしては東京リベンジャーズですね。アニメ版は未試聴。ジャンルとしては間違いなくヤンキーものなんですが、実態としては令和のシュタインズ・ゲートとか僕だけがいない街とかあのタイプです。その部分のサスペンス的な面白さとジャンルとしての抗争などのバトル要素がそれぞれ面白いです。まだ最新刊までは読んでいないですが、綺麗に引き延ばしなく終わってくれるといいなぁ……。

推しの子は元々読んでいますが、今年も安定して面白いです。最新巻の2.5次元舞台編はバトル漫画を読んでいるかのような熱さのぶつかり合い。もしまだ読んでいない人が居たら1巻の最後まで読んで見て欲しいです。1巻のラストで「あっ、これそういう話になるんだ」と正体が分かります。

シャニマス関連

最近シャニマスのストーリー追えていないんだよねという人はSHHisのW.I.N.G.編、ストーリーイベント「アンカーボルトソング」「ノーカラット」、SHHisのファン感謝祭編を抑えればOKです!

観たもの

劇場版 レヴュースタァライト

TV版を見ていた人は観よう。観ていない人も(放映当時公開されていた)冒頭映像を見て気になったら見よう。でも全然上映館数少なかったんですよね。

映像も音声も盛られまくった演出も感情のぶつかり合いも大迫力で観客を殴り続ける活劇。でも話の本筋は意外と分かりやすくおいてけぼり感は意外と少ない作品。ストーリーの話をすると劇場版レヴュースタァライトは観客(とキリン)にとっては再生産だけど、舞台上のキャストたちとストーリーの本筋としてはどちらかというと再清算、という印象でした(そうではない部分が愛城華恋)。そういう部分で見ていくと露崎まひるのワイルドスクリーンバロックって「決着をつけておきたかったので付けました」っていう潔さが際立つ。清算が終わり、レヴュースタァライトを思いのほか綺麗に締めくくります。配信サービスに来たら見直したい。

劇場版 閃光のハサウェイ

これも映像凄かったですねー。暗闇の中の戦闘が多いですが、その中での迫力がちゃんと有り。まだ3部作中の1作目で単体でストーリーがどうという感じではないのと、原作的に今後明るい話にはならなさそうですが2作目以降も観たいと思います。[Alexandros] の「閃光」も良い曲。

劇場版 きんいろモザイクThank you!!

アニメとしてのきんいろモザイクを締めくくる本作。丁寧に丁寧に、ギャグ部分はしっかり面白く、綺麗に物語を締めくくります。本当に幸せにあふれた作品でした。一番面白かったのは合格の舞。

某タイトルの影響も有ってたまに大きな馬のレースを見ることが増えました。色々と分かる物事が増えたうえで観ると面白いですね。エフフォーリア強かったなぁ。

見たもの

佐藤可士和展

半分「行った」編では有りますが、国立新美術館で開催された「佐藤可士和展」を見てきました。具体的な内容は以下の記事を見た方が分かりやすいです。

https://casabrutus.com/design/173614/2

様々なデザインがスマートフォンで聴ける音声ガイドでそのデザインの目指したものや意図も説明してくれて面白かったですね。

始めたもの

カロリー計算

食べ物・飲み物を選ぶ・食べる際にその食べ物がカロリーいくらぐらいなのかを考慮に入れるようにしたところ1年で体重が10kg落ちました。カロリーだけでなくタンパク質や食物繊維やビタミン類も考慮に入れているんですが、それでも検診は「良くなったうえで」C。良くなってはいるので今後も続けていきたい。

原付二種の免許

を取ろうと教習所へ。実際に教習が始まるのは来年からなので合格出来たら改めて取ろうと思った経緯や経過などを残そうかなと。合格無理そうだったらまぁお蔵入りで。

というわけで2021年 買って・見て・読んで・始めて良かったものでした。「行って」編はまた別で。総合的にはPCゲームでFPSな年でしたねぇ。PCの拡張は今年で一通り済んでしまったのと、各種PvPタイトルの腕の向上もだいぶゆるやかになってきたので、来年はどうなるかな。

TITANFALL 2 の「ドキュメントフォルダをデフォルト以外の場所に変更しているとセーブできない問題」をデフォルトに戻さずに解決する

事象

PC版 TITANFALL 2 (タイタンフォール2)にはユーザーのドキュメントフォルダをデフォルト以外の場所(Dドライブの任意の場所など)に移している場合に正常にキャンペーンモードのチェックポイントがセーブが出来ない、正確にはセーブは出来るが正常にロードできずにクラッシュする問題が有ります。

よくある質問 – Titanfall2(タイタンフォール2)攻略 Wiki

デフォルトの場所に戻せば解決するわけではありますが、わざわざ変えている以上理由がある訳で私の環境も元の場所には戻したくない理由が有るので、別の方法で解決します。

解決方法

ファイルの更新日時などから挙動を調べてみた所、セーブ時は移動先のフォルダに正しくセーブするものの、ロード時はデフォルトの場所を見に行くという挙動になっているようです。

セーブ先:
<移動先のドキュメントフォルダのパス>\Respawn\

ロード先:
C:\Users\<ユーザー名>\Documents\Respawn\

試しにセーブして終了した状態で手動でロード先へコピーしてやると正常にロードが可能でした。これを毎回行うのは面倒なので、ファイルシステム側の機能で対応します。

  1. 管理者権限でコマンドプロンプトを起動する。
  2. cd C:\Users\<ユーザー名>\Documents
    でロード先フォルダに移動する。
  3. mklink Respawn <移動先のドキュメントフォルダのパス>\Respawn
    でセーブ先フォルダへのシンボリックリンクを作成する。

これでNTFSのシンボリックリンクが作成され、チェックポイントのロード時もセーブ先パスのファイルを読みに行くようになり、問題なくプレイが出来ることを確認しました。

アルストロメリア ストーリーイベント『アンカーボルトソング』を読んだ (感想/雑感)

「アンカーボルトソング」イベントが良かったので雑感をまとめておきます。ネタバレありです。まだイベント本編・イベントサポート未読であれば、必ず先に読んでからどうぞ

まずは全体の流れを確認します。

ソロの千雪

今回のイベントではまず千雪がソロのWeb番組の仕事での活躍が描かれます。そこでかかわる様々な人たちと凄く上手くやっている所が描かれます。その空気感は、仲がいい気の知れた関係ではなく、だからと言って自分以外は全てライバルであったり利益を得る為の業務上の関係というビリビリしたものでもない、それらの中間にある「お互いの様々な心遣いの上に成り立った平穏で良好な関係」です。

ソロ活動の千雪

これをやっていけるのはやはり千雪の培ってきた業界人としてのスキル、人としての強さを感じさせられます。そして、これはアルストロメリア内の仕事では大々的に描かれてこなかった部分がメインになっています。

ソロの甘奈

甘奈にも大きなソロの仕事が舞い降ります。こちらは甘奈プロデュースのコスメアイテム(リップとポーチ)を作るという仕事で、強い意気込みが語られます。G.R.A.D.編で見せたような迷いはもう無いです。

ソロ活動への意気込みを語る甘奈

甘奈も自身の新しい仕事に対して挑戦していきます。

そして甜花は

印象の違いを語る甜花1

甜花だけ取り残され気味になる、という話にはならず、少し遅れて甜花にもバラエティ番組の仕事が来ます。甜花は千雪、甘奈に感じていた変化や輝きに、自分も向かっていきたいと頑張る事を決めます。

新しいソロ活動を始める甜花
印象の違いを語る甜花2

番組内での甜花は他の2人比べるとたどたどしく苦しい部分も有るものの、他のキャストにフォローしてもらいながら甜花なりにやっていきます。大丈夫か甜花……。

とまどい

それぞれソロの仕事が続く中で、新しい挑戦、新しい出会い、宿題などの元々の日常が続く中で、充実していながらもお互いに余裕が無くなってきます。また、ファンからも「ソロの仕事が増えるのは嬉しい」という意見が多い中で「でも”アルストロメリア”が最近見られず寂しい」という意見も見え始めます。これは悪意を持ったものではなく、変わっていくアルストロメリアの立場を見るファンの素直な感情だと感じました。

「前とは違うって感じだけ残った」
千雪の想い
千雪の想い

それについては「ファン」としての立場でもあるプロデューサーも同じ気持ちで肯定します。

プロデューサーの想い

それに心配する千雪、変化に戸惑う甜花、そしてコスメアイテム制作の中で行き詰まりに直面する甘奈は、2人と同じように頑張りたいからこその挫折感である事が見えてきます。

挫折感を覚える甘奈

その中で甘奈は甜花を凄いと思っている事、甜花も甘奈を凄いと思っている事をお互いに伝えた上で「それぞれ自分で考えるべき事であった」という結論に至ります。お互いの気持ちが離れていた、すれ違っていたというような話ではなく、お互いがライバルであり、それぞれ頑張り、でも気遣いのミルクティーは入れる、その先の3人がアルストロメリアであるという事がだんだんと形を持ってきます。

3人でアルストロメリア

変わり続けるアルストロメリア。思い出とこれから

プロデューサーの設定した久しぶりの3人のステージ、その準備の集まりの中で3人はファンの作ったスライドから見えるこれまでのアルストロメリアの思い出、それぞれの現状とこれからの事、それらを踏まえた上でファンへ伝えたい気持ちを再確認していきます。

永遠のアルストロメリア1
永遠ではないアルストロメリア
永遠のアルストロメリア2
「ずっとこのままでいたい けど」
「ずっとこのままじゃ いれない」

アルストロメリア3人のこれまでの思い出。それは、それぞれが頑張って、良い事も悪い事も有ったからこそ生まれてきた物で、今のソロメインの挑戦も大事な事。「3人でアルストロメリア」でずっといるためには、ずっと変わりづ付けなければならない、それをしてきたからこそ今が有り、アルストロメリアは健在であるという結論に至ります。

感想

ファンの見てきたアルストロメリアの綺麗な思い出、アルストロメリア3人の紡いできた思い出、これまでにあった良かった事、悪かった事、挑戦、とまどいを経ての3人の今、これからもそうあり続ける為には工事の続くビルの様に「戦って」行かなくてはならない。アルストロメリア3人の花のような華やかさと脆さ、永遠ではない儚さ、それでいての強さと強固さを感じられる良いシナリオでした。アルストロメリアは強い……。

ソロでも上手くやって行けるが、3人でのアルストロメリアをこれまで凄く大切にしてきた千雪だからこそ感じる寂しがるファンからの気持ちに思う事、他の2人の輝きに負けないようどんどん挑戦して行けるようになった甘奈、周りに敏感で小さい失敗を積み重ねつつも前に進む甜花と、3人それぞれ見所が濃いです。書いてない部分でも見所が沢山有ります。

ユニットメンバーがお仕事の都合上疎遠気味になる話は例えばアンティーカのファン感謝祭などでも扱った話ですが、恋鐘という大黒柱の居るアンティーカが家族・場所としての解を得たのとは異なり、「薄桃色にこんがらがって」を経たアルストロメリアは既にお互いがライバルであり、だからこそいつまでも3人で居られるように変わり続け、自身が過去の思い出にならないように戦い続ける、だからアルストロメリアはずっと一緒だという結論になるのは同じ部分・違う部分が際立っていて印象的でした。アルストロメリアの歩んできた道のりを考えるととても説得力があります。

物語である部分、物語ではない部分を切り分けて見せたアンティーカの「ストーリー・ストーリー」に対し、「アンカーボルトソング」では思い出を肯定したうえで抗い、そして次の思い出につなげるという見せ方も、似ているようでいてだいぶ違う印象を受ける内容になっています。書くのが上手い……。

話は変わって今回、ソロでの仕事の厳しさをいろんな面から描きつつも、例えば千雪に対しソロの方が向いているんじゃないかと言うような人は現れないし、甘奈の出すアイデアが扱われない前提の名前借りのような展開は無いし、甜花と仲良くなりたい駆け出しの子に裏の気持ちが有ったりのような、これまでのシャニマスを読んでいると少し身構える部分に対しては全くそういう事は無く、それでいてまっとう?(もうちょっと適切な表現が有るはず)に厳しい面が描かれているのも特徴的でしたね。

今回のシナリオの主題はそこではないですし、その辺のバランスなんでしょうね。良かったと思います。

イベントサポートでは甘奈のコスメアイテム制作も一度の挫折を経つつも、甜花とのやりとり、千雪とのやりとり、プロデューサーからの提案を経て、無事納得のいく形で製品化できる所にたどり着きます。この辺りの流れは薄桃色にも近いですね。その制作したアイテムが千雪の上手くいっていない部分、甜花の上手くいっていない部分で登場して締めくくりとなる美しさが凄いです。シナリオを描くのが上手くないか??

今回、外から見える物事としては極端に大きなことは起きていません。3人それぞれソロの仕事でも大活躍、小さなイベントだがアルストロメリア3人としてのイベントも開催された。というお仕事が続いている中での再確認。それは薄桃色イベでもそういう部分が有りましたが、今回はそれらも経た上での既に変わりつつある・変わってきた現状の再確認と肯定、これからの道筋の明確化という気持ちの整理をする話です。このどちらかというと内向きの話を面白く、転機もあり、やり取りや機微にリアリティのある質感を持たせつつ描いたのはほんと力作でした。

これからのアルストロメリアも変わっていくし、思い出と違って永遠には残らないけど、3人が前向きに進み笑っていられる間「アルストロメリア」は強く保たれ続けると思える、希望に満ちた話で良かったです。ファンもだからこそ3人が輝いて見えるんじゃないでしょうか。

なんかずっと同じことを言っている気がするのでここから雑感です。

雑感

  • 仕事の中で行われる「匂わせ」、ファンへアルストロメリアを伝える「匂わせ」、ミントがプラスされたこれからに向かっていくリップの「匂わせ」の繋がりの上手さ。
  • 甜花のカッコいい発音
  • この妙に泣ける話、千雪が書いたんか……。甘奈おばあちゃん
  • ハム太郎
  • ずっと工事していると言われるとやっぱり横浜駅が最初に印象に浮かぶよね。実際は都内だと思う。同じように大きな工事の続く渋谷であったり。
  • アルストロメリア、「幸福論」という大元のテーマに忠実。