THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 5th LIVE TOUR Serendipity Parade!!! の感想

大ボリュームだったシンデレラガールズの全国ツアーも、先日2017年8月13日をもって千秋楽を迎えました。

今回のライブは、これまでのライブ以上に人によって感想の「細かい部分」が違っているように思います。Twitterなどでも色々な感想やらその他さまざまな物が流れてくるので、自分自身の感想が自分自身の物でなくなってしまう前に書き残しておきたいと思います。

まず、ツアー全体を通して、これは悪い意味ではないと先に断っておきますが「大きな感動」は用意されていないライブでした。例えばサプライズ出演的な物は無く、アニメ版終了後の総決算でも有りません。新しいボイス付きの発表も有りません。これは3rdや4thとは大きく異なります。

では、何が有ったかというと、実現したユニットとその楽曲によりこれまで以上に横のつながりの増えた演出や楽曲、ただただパフォーマンスとかつてない出演メンバー数で魅せてくる、「ライブ内容」で盛り上げてくれる「ライブ」でした。

何かの節目でなくてもこれだけの大ボリュームが有る。ひたすら楽しませてくれる。とても良いと思います。5thはひたすらに「楽しい」ライブツアーでした。

もちろん、ただ楽しくて終わったわけではありません。立花理香さんのSSA day1での挨拶からも、シンデレラの「難しい部分」はキャスト・スタッフその他関係者の皆様の方がよっぽど分かっている事を再確認しますし、そうした中でここまで良いツアーに出来たのは本当にそれぞれの尽力が有ったんだろうなと感じます。

1公演1公演が次が更に凄いものになるような、一人一人がより良くするために本当に考えてきた部分も、曲中の演出、トークの割り振り、衣装など様々な所から感じられました。

他の各キャストからも、演じるキャラクターとの向き合いについて語ってくれた椎名法子役の都丸ちよさんや依田芳乃役の高田憂希、悔いはないがまだまだ満足していないと言い切る五十嵐裕美さんや、これからも高みを目指す松井恵理子さんらなど、様々な思いが有りました。シンデレラを初期から支える五十嵐さんの「アイマスですよアイマス」コールは、全くもって古参ではない私にも感慨深いものが有りました。

それらが有ってこれだけ「楽しかった」で終われるライブになったのは本当に良かったと思います。どの曲のどの部分が、を語ってもいいけど、とにかく楽しかったのです。それでいて何かの節目でも何でもない、これからの事をしか考えていない、明るい内容。

ここで楽曲面に触れておくと、これまでにない鮮烈なデビューと共に宮城やSSA公演で圧の有るパフォーマンスを見せてくれた早坂美玲役の朝井彩加さんの∀NSWER、SSA公演ではインディヴィジュアルズフルメンバーとはならず星輝子役松田颯水との2人での登場でしたが、これまでにも迫力の有る歌唱を見せていた松田颯水さんにも対抗できる勢いを感じました。森久保乃々の加わったインディヴィジュアルズの本当の「強さ」を見られる日が楽しみですね。

そして青木瑠璃子さん、安野希世乃さんによる「Jet to the Future」はロックザビートのこれまでの歩み、これからの繋がりを熱く熱く突き抜けたパフォーマンスで魅せてくれました。

他のロック系な曲とはまた違う盛り上がりを見せる千菅春香さんによる「One Life」は、どこか孤高さを感じさせる曲とステージ、張り詰めた歌声、それらが会場に押し寄せてくるような感覚は相当に体に響いてきました。

SSA day1公演では幕張以上に「よしのん」になった高田憂希さんによる「祈りの花」、衝撃的な程に完璧にアイドルとしての輝きを放つ中島由貴さんの「追い風Running」、完成をみた「ニャンと☆スペクタクル」、ついに大型ライブへの出演がかなった原田ひとみさんによる「アップルパイ・プリンセス」、熱量凄まじい「熱血乙女A」。サマプリと「サマカニ」の強さ。まだまだいくらでも有るのですがこれ以上は結局長々とした感想になってしまいます。

今回のツアーでは全体的にキャスト陣のキャラクターの表現が変わっているようにも感じられ、よりキャラに近づいているように感じられる部分も有れば、捉え方によってはキャラから離れているようにも見える部分も有りましたが、それらはSSA day1にて「自然体」「寄せる事を頑張るだけでなく中の人としても楽しむ」といった話があり納得感が有りました。アイマスのライブ、これからも続いていくコンテンツとしてとてもポジティブな方向性だと思います。

この辺りでライブ事態に関する内容は締めくくろうと思うのですが、なぜ今回感想が多岐にわたるように感じられるかというと、見る側にしても演じる側にしても立場が増えてきたのではないかなと思います。これだけキャストが増えた中で担当が出ているか、ソロ曲が有るのか、ユニット曲は多いのか少ないのか、まだ声が無いのか、ソロ曲が無くてもユニットとしてどんどん出てきて欲しい人、どうしてもソロ曲が欲しい人、今ツアーが初参加の人、シンデレラを長く支えてきた人、ついに全メンバーが揃ったユニット、キャラクターとの向き合い方もキャストそれぞれに違いが有り違いは有ってもそれぞれのスタンスでキャラの事を考えている、これまで以上にお互いに居る場所に違いが有るのかもしれません。

良くも悪くもパフォーマンスで魅せるライブとなり、周辺情報の提供が少な目に感じられたのも、見た側の何か考える余地を増やしているのかもしれません。

でも、私はやっぱりそういった中でこれだけの要素がまとまり、多メンバー、大きなトラブルもなく、ひたすら「楽しい」ライブとして終演を迎えられたのは良かったと思います。到底簡単に出来る物ではなくキャスト・スタッフ・関係各社あっての「奇跡の大行進」でした。

これからも「難しい部分」は沢山有ると思います。CDの進捗であったり、自担当の扱いであったり、いろいろあるかもしれませんし、明確な担当が居ないPもファンも自称しないタイプの私(※1)のような人には分からない、と思われる部分も有るかもしれませんが、ひとまず「楽しかった」事を書き残しておきたかった。

村上巴や藤原肇ら5人のこれから出会えるボイス、今後活躍の場を広げてほしい今井加奈や佐城雪美、浅利七海に思いをはせたり、楽曲についてもこれまで以上に様々なジャンルであったり、キャラの魅力を深堀りするような物であったり、鮮烈なサウンドであったり(※2)を求めつつも、ひとまず筆をおきます。皆様ほんとうにお疲れ様でした。

※1: キャラクターやストーリーも良いのですが、やっぱり私は楽曲がこのコンテンツの魅力として第一です。

※2: 個人的にはもっと暗い曲であったり、ダウナーに聞ける曲が出てきてほしくも有ったりしますが、シンデレラには合わないしなかなか期待しづらいだろうなとも思います。

Share this…