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Windows環境にちゃんと動くComposerを導入する

2016年1月現在においてPHPで何かを作るうえで、パッケージ管理ツール(兼、便利なクラスオートローダー)であるComposerを使う機会は多いと思います。そしてこのComposerはWindows環境においても簡単に導入できるのですが、実際にComposerを使ってパッケージを導入してみようと思うと内部でGitコマンドを呼び出していたりと動かないことがありますのでその辺まで含めて簡単にまとめてみたいと思います。

0.PHPをインストール済み

http://windows.php.net/download
既に導入済みかとは思いますがWindows版PHPをインストールしておきます。ファイルを展開し C:\php\バージョン\ あたりにでも展開、環境変数にパスを設定して、あとはphp.iniのタイムゾーンやら基本的な設定をしておきます。Windows 10は以前のWindowsに比べて環境変数が編集しやすくなってていいですね。

php環境変数設定

更に脱線すると、WebサーバはPHP内臓のビルトインサーバが使えますので、別途ApacheやXAMPP等をインストールしたりする必要は特にありません。DBを使いたい人はWindows版のMySQLなりPostgreSQLなりもどうぞ。

1.Composerをインストールする

https://getcomposer.org/
Windows版のインストーラがありますのでComposer-Setup.exeをダウンロード、実行でインストール完了です。途中、右クリックメニューにComposer関連のコマンドを追加するかのオプションが表示されますが、特に追加する必要はないかと思います。

もし、以下のような画面でインストールが失敗した場合、PHPのopensslエクステンションが有効になっていません。php.iniでopensslを有効にして再度実行してみてください。

composer_windows_openssl

php_ext_openssl

2. Git for Windowsのインストール

https://git-for-windows.github.io/
ここまででComposerの導入はできているのですが、実際に使おうと思うと内部でGitコマンドを呼んでいるなどして結局動かないことが多々あります。Gitコマンド含めLinuxコマンドも使える環境としてGit for Windowsを導入します。えっ、結局Linux互換環境入れちゃうの?と思われるかもしれませんが、基本的にComposerコマンドを使うときにコマンドプロンプトの代わりにGit Bashを開く程度で済みます。コンポーネントの選択でGit BashのチェックはデフォルトでONですので、そのままにしておきます。以下、注意が必要な選択肢。

1番目か3番目をお好みで。3番目の「Use Git and optional Unix tools from the Windows Command Prompt」を使う場合は記載の注意を要確認。

git_bash1

MinTTY(MSys2)を使います。

git_bash2

3. 使ってみる

ここまででインストール完了です。実際に使ってみます。インストール済みのGit Bashを起動します。

bit_bash_menu

おもむろに composer とタイプしてみます。動いた!

comoposer_for_gitbash

では実際にパッケージを導入してみます。今回はとりあえずCodeigniterを入れてみます。Codeigniterは公式のComposerパッケージがないのですが、@kenji_s 氏作成の使いやすい導入パッケージが利用できます。ありがたい。

CodeIgniter 3.0をコマンド一発でインストールするCodeIgniter Composer Installer

適当なインストール先ディレクトリを作成し移動、サンプルのコマンド通りに実行してみます。

composer_codeigniter

ComposerでCodeigniterが導入できました!せっかくなので動作確認まで行います。publicディレクトリまで潜り、php -S localhost:9090でビルトインサーバを起動、Webブラウザで開いてみます。

codeigniter_303_init

しっかり動いています!おしまい!

CodeIgniter 3でREST風のAPIを実装する

GET/POST以外のHTTPメソッド/JSONで入力

REST風のAPIを実装するには一般的にはGETやPOSTだけでなくPUTやDELTE等のHTTPメソッドからの入力にも対応する必要が有りますが、CodeIgniter 3.0.xを利用している環境ではどうやって拾うの?という話。

CodeIgniter 3からInputライブラリに raw_input_stream というプロパティが追加されており、そこから読み込むだけで簡単に文字列を取得できます。

Input Class
https://www.codeigniter.com/user_guide/libraries/input.html

また、このraw_input_streamを使う事でフォームのようなkey=valueではない($this->input->post()で拾えない)値が取得出来ます。あとはJSON形式で投げているならjson_decodeしたりなんなりで。

// raw_input_streamとjson_decodeはnullを返すことが有るよ!
$raw_input = $this->input->raw_input_stream;
$json = json_decode($raw_input);

Q. CodeIgniter 2.x の場合
A1. CodeIgniter 3.xにアップグレードする。1日あれば動くようになるはず。
A2. PHP 5.5以前の環境であるなら5.6以降にして php://input ストリームを開く。
A3. CI_Inputクラス魔改造。お勧め出来ない。

柔軟にURLとコントローラの対応を取りたい

コントローラクラスのフォルダ階層分けやurlヘルパーでのsegment取得、引数指定で頑張ってもいいですが、コントローラに_remapメソッドを定義すれば柔軟性が上がります。URLだけを見るルータ側での設定とは違ってHTTPメソッドによって呼び出すメソッドを変えるような事もやりやすくなるかもしれません。

Controllers — CodeIgniter 3.0.2 documentation Remapping Method Calls
https://www.codeigniter.com/user_guide/general/controllers.html#remapping-method-calls

例えば存在しない機能を叩いた場合のWeb API向け404処理などを振り分けやすくなりますね。

今も生きているPHPフレームワーク CodeIgniter、3.0RCへ

PHP Webアプリケーションフレームワーク CodeIgniter の今について。

cakePHPなどのRailsに影響を受けたフレームワークに比べると、スクラッチのコードをががっと書いたり、ActiveRecordが実質的にお手軽SQL作成器だったり、MVCのMを作らないなんて選択も出来たり、そのゆるさと学習コストの低さから人気だったCodeIgniterですが、以下のOSLライセンスの問題などからFuel PHPや、DIだComposerだSymfony2だとなかなか現代的なLaravelへの移行が起きていると言われています。

【重要】EllisLabが現行の「CodeIgniterライセンス」はGPLと互換性がないという見解を公表しました
http://codeigniter.jp/blog/article/65

とはいえ、今となってはそのライセンスの問題も解決しており、CodeIgniterは(一応)生きているよという話です。正直、公式サイトを見れば書いてある事だけなのですが、あまりにも日本語ソースが無い(みんなもう興味ない……?)ので、簡単にまとめてみます。

ライセンスの問題はMIT Licenseになり解決

CodeIgniterのオーナーが EllisLab から、ブリティッシュ・コロンビア工科大学に移る事になりました。それに合わせてCodeIgniter 3.0も安心のMIT Licenseへの変更となりました。よほどの事が無ければJavaやMySQL、OpenOffice.orgのような事にはならないのではないでしょうか。

CodeIgniter 2.2.1 はPHP 5.6対応へ

CodeIgniter v2.2.0の時点で、ソースを1行だけ修正すればPHP5.6で動作する状態ではあったのですが、修正なく動作するようになりました。2.x系に関してはCodeIgniterライセンスのままなのですが、今2.xで動作しているシステムを新しいサーバーへ移行するような事になっても、新しいバージョンのPHPで利用する事が出来ます(もちちろん自分で書いた部分のコードは検証が必要です)。XSSフィルタなども修正されています。

CodeIgniter 2.2.1 Released 2015.01.22
http://forum.codeigniter.com/thread-843.html

CodeIgniter 3.0 リリース候補版の登場

ライセンスなどの問題も解決したCodeIgniter 3.0のリリース候補版がついに登場しました。ドキュメントもそこそこわかりやすい物が用意されています。2.xからのアップグレードも可能で、これまでのバージョン同様、移行マニュアルが用意されています。

CodeIgniter 3.0 Release Candidate 2015.01.26
http://forum.codeigniter.com/thread-890.html

と、すごくざっくりですが3点まとめてみました。
既にLaravelでバリバリやっている人や、まだ使ってはいないけどそろそろリッチなフレームワークへ移りたい方※、PSR-2準拠でコーディングしたいんじゃーという方ももちろん多く居ると思います。ただ、重厚過ぎないフレームワークの上で素のPHPをさくっと書きたい時や、今既にCodeIgniter 2.xで動いているシステムを今後も長く使っていくためのリプレースには悪くない選択肢ではないでしょうか。

※私自身、そろそろ勉強したいなと。

追記:
2015年3月30日にCodeIgniter 3.0の正式版がリリースされました。
http://www.codeigniter.com/